家庭で飼っているペットが死んでしまった時、以前ならば自治体に届けて焼却してもらうのが一般的でした。しかし最近ではペットを家族同様にとらえ、きちんとお葬式をしたいと望む方も増えてきています。
その大きな理由は、核家族、また子供の居ない世帯の増加に伴い、ペット需要が増えていることが挙げられます。子育ての済んだ世帯・単身の高齢者にとっても、精神的にペットとより深く結びついている事情があります。
自治体に焼却してもらう場合には、小型犬くらいまでの大きさならば数千円~1万円程度の費用で済みます。一方、民間の業者に火葬を執り行ってもらう場合は同様の犬種でも1万数千円~3万円以上はかかるでしょう。
それでも民間の業者にペットの火葬を依頼する方が多いのは、他のペットと一緒に焼却され、また供養施設が整ってないのは可愛そうだという心理があるでしょう。
実際、こうした自治体に依頼する場合は形式上「合同火葬」と呼ばれ、こうなると遺骨も他の種類のペットと区別できません。また自治体によっていはお別れする場所だけ設けてその後はゴミを一緒に焼却というところもあります。
当然返骨も不可能で供養施設もなくお参りもできません。行政に頼むときにはこの点を必ず確認する必要があります。
民間の業者に依頼すると、専用の火葬場に持ち込むか、ご自宅へのお迎えも可能です。この際「個別火葬」もしくは「立会い火葬」を申し込んでおけば、亡くなったペット単体での火葬となるので、返骨してもらえます。
ペット専用の骨壷に返骨してもらい、丁重に弔うスタイルがペット葬儀の主流になってきています。
専門業者による個別返骨・立会い返骨の良い所はそれだけではありません。ここ数年、愛玩用ペットの亡き骸をズサンに取り扱っている自治体や、葬儀業者を騙った悪質な団体も目立っています。
極端な例では、犬の亡き骸の大量放置といった事件もありました。埼玉県でニュースになりましたし、つい先日の栃木県での事件も、ペット葬儀を騙った業者が関わっている疑惑が大きいと言われています。
もし、せっかく火葬を依頼したペットが、人知れず無造作に放置されていたとしたら、いたたまれない気持ちになります。こうしたトラブルを絶対避ける意味でも、個別火葬や立会い火葬は有意義だと考えることができるのです。
あと火葬後のお骨の供養施設が整っているかどうか、非常に重要なポイントとなります。埋葬する場所やお参りのする場所の確認をすることがペット火葬の業者を選ぶ重要な点といえましょう。